この星で生きていく

コロナウィルスによる経済の崩壊、本当の幸せのために今すべきことは何か

ホセ・ムヒカ大統領
ホセ・ムヒカ大統領

貧乏とは少ししか持っていないことではなく、
無限に欲があり、
いくらあっても満足しないことです。

この短い期間に、世界の情勢は大きく変わりました。今やコロナウィルスがもたらした影響はヨーロッパ全土に飛び火し、世界各国で次々にロックダウンが相次いでいます。

人間の意識の変容は80年周期で訪れるといわれ、前回は第二次大戦でしたが、これまでは変容の出来事に人間が必ず関わっていました。それが今回はウィルスという生物か無生物か判別できない存在によって変容がもたらされています。

私はウィルスそのものに恐怖はそれほど抱いていませんが、経済的なダメージと、国や都市の封鎖による影響がどのように出るか……それを今考えています。日本政府は言えない事情があってオリンピックの中止を宣言していませんが、WHOが終息宣言を出すのは世界に感染者がひとりもいなくなってから一カ月間様子を見てからという決まりがあるので、現実問題としてオリンピックの開催中止はとても可能性が高いでしょう。

もし日本がロックダウン宣言を出すとしたら、中止を発表したときかもしれません。その場合、1~2週間の外出禁止になる可能性も出てきます。店舗から食料品がなくなるという事態がまた起こるかもしれません。どうぞ、今から少しずつ備蓄をしてください。今からひとりひとりが無理のない範囲で蓄えておけば、買い占めや争奪戦は起こりません。

もちろんオリンピックが開催され、宣言が出されないのならそれにこしたことはありませんが……、今となっては客観的な情報をもとに心の準備をしておくということをしない方が危険です。備蓄したものも、保存がきくものでしたら後からいただくことはできますよね。

 

目の前にある危機は地球環境の危機ではなく、
わたしたちの生き方の危機です。

これからのことを考えながら、皆さんにどうしたら不安を煽るような形ではなく情報を伝えられるかを考えていました。現実をしっかりと見つめ、困難を乗り越え、よりよい未来を創っていくことができる希望がわくような、倒れてもまた立ち上げることができるような力のある言葉をどうしたら伝えられるだろうかと。

 

ムヒカ大統領のスピーチ

トランプ大統領と習主席のやりとりを見ながら、互いを責め合う子どものようなコミュニケーションに少し疲れてしまったのか(このあたりが私の未熟なところです)、ホセ・ムヒカ大統領の言葉を読みたくなりネットで検索をしました。そうしたら4月10日に『ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ』という映画が公開されるのを見つけたのです!

 

私はとても嬉しくなりました。この大変な時期に、本当に強くてあたたかい人の言葉が映画で生き様と共に日本の私たちに伝えられるのですから。亡くなったからも言葉となって私たちに生きる力を与えてくれます。

第40代ウルグアイ大統領ホセ・ムヒカとはどのような人なのでしょう?

そして彼が残した言葉とはいったいどのようなものでしょうか?

ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ

「わたしたちが挑戦しなくてはならない壁は、とてつもなく巨大です。目の前にある危機は地球環境の危機ではなく、わたしたちの生き方の危機です。人間は、いまや自分たちが生きるためにつくったしくみをうまく使いこなすことができず、むしろそのしくみによって危機におちいったのです。」
(『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』より)

人生はあっというまです。そして命より大事なものはありません。

・獄中で孤立無援の状態を経験したからこそ、いかにわずかなもので幸せになれるかを学んだ。わたしたちをひどく扱った人間を憎む気には、なれなかった。人間は未来だ、過去じゃない。

・恨みつらみとか、報復とか、政治的な思想つまりイデオロギーから、完全に自由な政府にしたかったんだ。憎しみは建設的ではないんだ。報復が、正義の名のもとに行われることが、世界にはいやというほどある。そんな正義は、わたしはこれっぽっちも信用していない。

・許すこと、過去を乗り越えること、そして異なる意見にオープンであることが大事なんだよ。

・いちばん大切なものは命なんだ。お金で命を買うことはできないんだよ。命は奇跡なんだ。奇跡なんだよ、生きていることは。

・世界で二番目の金持ちが毎日100万ドル使ったとしても、使い切るのに220年生きなければならない。お金がないと政治家がいうとしたら、お金のある人から徴収せず、頼むことも、彼らのポケットに手を突っ込むこともできない、臆病者の政治家だからだ。

・よく考えてほしい。きみが何かを買うとき、お金で買っているんじゃないってことを。そのお金を得るのに費やした時間で、買っているんだよ。過ぎた時間とは、きみの人生だ。過ぎ去ったら取り返しがつかない。だから、大切にしないといけないんだよ、人生という時間を。

・ビジネスが人生でもっとも大事なものだと思うなら、わたしは何もいうことはない。わたしがもっとも大事だと思うのは、命と幸せなんだ。だって奇跡なんだよ、生きてるということは。何よりも価値があり、短く、二度と戻ってこない。だから、この世にいる間にできるだけ幸せに暮らすことを心がけるべきなんだ。

強制的なゼロリセットとアフターコロナ

今までは本当に大切なものを抱いて自由に生きていこうとしたら、私のように個人が好きに執着を手放すなどをしていればよかったのですが、強制的なゼロリセットが起こり、私たち一人ひとりが不必要なものを手放していくよう意識が変わっていくでしょう。しかし、経済が急速に冷え込み、経済的に破綻することが避けられない人も出てくることが予測され、コロナウィルスよりも経済崩壊に殺されるという人もいます。

人生はお金ではありません。だから、そのようなことで命を落とさないでください。でも、本当に困難な中にいる人、仕事をなくし養わなくてはいけない家族がいる人、重い病や孤立無援の人……そのような人たちがいます。

今、私たちに必要なものは何でしょうか?
また、困難な人たちに何を与えられるでしょうか?

想像してみてください。あなたが何もかも失ったとします。お金も、仕事や家族や友人も、若さ、愛、家、何もかも失ったとして、それでもあなたは生きています。なぜ生きているのでしょう?あなたを生かしているものは何でしょうか?
愛もなくしたのに、あなたには何があるの?誰からもあなたから奪えないものって何?

ムヒカ大統領
今、私たちは何をすればよいのか?

これから特に経済的に困難な時代が続くことはわかりました。成長も見込めないこの時代に、では私たちは何をすればよいでしょうか?

人間が関わる意識変容の体験ではなく、ウィルスによるものということが示唆するのは、人間の知性による発展はもう頭打ちであるということです。ムヒカ大統領もスピーチで語ったように、もっと便利でもっとよいものを手に入れようと、さまざまなものをたくさん作ってお金を儲けてきましたが、そしてもうけたお金で欲しいものを手に入れることができるのが幸せだと信じてきましたが、そんな社会はすでに限界が来ています。

人より豊かになるために、容赦なく競争を繰り広げた世界の在り方は終焉を迎えたのです。

今までのやり方が通用しなくなって、私たちは生き方そのものを変えなくてはなりません。それは、仕事やお金に価値をおいてしまっている人たちにとっては、自分では何も生み出せないと思っているので、とても恐ろしいことでしょう。

ここで私たちは自分が存在していればお金ではない価値を生み出させること、命を大事にすること、本当に幸せになることを考えなくてはならないのだと思います。

自分にとって不必要なことや、やりたくないのに続けていることは何かを振り返ってみてください。そして、困っている人が目の前にいたら自分の何を与えられるかを。何故なら目の前に人は自分自身だからです。

これからの時代は、自分の利益だけ考えている人にとっては行き詰まりとなります。しかし、自立し、他者と助け合おうとする人にとっては本当に実り多い時代です。

この困難なときを乗り越えて、よりよい、最高の未来を思い描いて、ピンチを素晴らしい時にしていくことだってできるのです。

 

『ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ』

もしもわたしが獄中生活を経験しなかったら、
わたしの人生は違っていただろう。
あのつらい時代がなければ、
いまのわたしはなかったと思う。
人は、よいときよりも痛みのあるときから
より学ぶことができるんだ。
わたしはそれを身に染みて知っている。

そのことを若い人に伝えたいんだ。
挫折から起き上がることを。
人は生きていると、何度も挫折を経験する。
誰だって問題を抱えているんだ。
そこから何度でもはい上がることが大事なんだよ。

(略)

人生を意味あるものにするかどうかは
きみ次第だ。
たとえ困難でも、もう少しと挑むことだ。
敗者とは、肩を落として自らを放棄してしまった人のことだ。
人生を投げてしまうのは、
店で命を売るようなものなんだよ。
どうでもよい買い物をして人生を使っているうちに、
一文無しになったきみは
この世でいったい何をしたかったのだろう?

しかしよく生きるために闘い、
後の者たちにそれを伝えようとしたならば、
その息吹は丘や海を渡り、
かすかな記憶となって残るだろう。
人生は受け取るままではなく、
何よりも、持っているものを与えるものだから。

自由を奪われてはならないよ。
若さを失わないで、
人生をたっぷり味わいなさい。
もっと生きることをめがけて。

(『世界でいちばん貧しい大統領からきみへ』より)

 

 

生きていれば困難や挫折は必ず経験するものです。

それでも、そのたびに立ち上がってまた歩いていくこと、それが人間が生きるということなのですね。

今までとは違って、今度は自分だけが助かる道ではなく、互いに与えあうものを持つ時代を本当に豊かに幸せに生きていくために、私たちは重要な痛みを経験していくのだと思います。

お互いに弱さを認め合って、つながっていきましょう。

 

Sitara

 

 

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